アトリエ:サイアノタイプを体験する

アトリエで乾かし中のサイアノタイプ

著者:アンドリュー・マコーミック

最近、アトリエでサイアノタイプをたくさん作っている。鮮やかな青色のサイアノタイプは、写真の先駆けであり、一時期は建築家の図面を複製する方法としてよく知られていた。特にフォトグラム(コンタクトプリント)としては、暗室もカメラも必要なく、簡単で安全なため、今でも世界中のアーティストによって広く制作されている。

サイアノタイプ・フォトグラムの制作 

参加者は特殊加工された紙の上にオブジェを並べ、ガラスシートで構図を押さえる。その後、外に運び出し、数分間日光に当てる。紙の色調は、黄色がかったものからブルーグレー、薄茶色へと変化する。

色が変化したら室内に戻り、プリントされた紙を水洗いする。オブジェで覆われていた部分は白く洗い流され、露出していた部分はかすかに青くなる。その後、過酸化水素のごく弱い浴槽に入れると、青が瞬時に強くなる。あとは紙を乾かせば、展示の準備は完了だ。

どのような技法なのか?

サイアノタイプを作る前に、2つの鉄塩、フェリシアン化カリウムとクエン酸鉄アンモニウムの溶液を合わせる。(これらの薬品はジャカード社やその他の会社から別々のボトルで販売されている)。紙に塗って紫外線を当てると、化学物質が反応する。光に反応した部分は紙に定着し、光に触れなかった部分は水につけると洗い流される。残った化学物質が酸化すると、プルシアンブルーとして知られる顔料が形成される。

あらかじめ準備されたシアノタイプの紙を使った「ソーラープリント」キットは広く出回っており、子供のプロジェクトには最適だ。とはいえ、新鮮な化学薬品を使えば最高の結果が得られるし、自分に合ったサイズを自由に選び、材料も自由に試すことができる。面白いことに、サイアノタイプのプリントを明るい場所に飾ると青が薄くなるが、しばらく暗い場所に移すと色が戻る。

直島の子どもたちと一緒にサイアノタイプを作る

直島アートスタジオの小学生高学年のレギュラーグループにサイアノタイプを紹介した。子どもたちは店の裏山から植物などの素材を集め、前日に用意した紙の上に並べた。

彼らに工程を理解してもらうために、最初のプリントを素早く行い、その後、店にある他のオブジェクトで実験した。透明なプラスチックに絵を描いて転写プリントも試した。サイアノタイプは制作がとても速く、アイデアを微調整して結果を見るまでそう時間はかからない。

数週間後、子どもたちは巨大なサイアノタイプを作った。コンセプトを「直島スカイツリー」に決め、彼岸花や葉っぱ、手芸用品などを使って作った。

巨大なサイアノタイプをするには特別な準備が必要だった。ベニヤ板の上にオブジェを配置し、その上に大きなガラスを何枚か組み合わせてから、外に移動(これが非常に重い!)。プリントした巨大画用紙をすすぐには、大きなシンクが必要だった。水洗いした紙をシンクから取り出そうとしたとき、紙が弱かったので裂けそうになりかけたが、努力の甲斐があり結果は大成功!

アート島センターで一緒にサイアノタイプを作りませんか?

ご家族やグループで直島にお越しの際、一緒にサイアノタイプを体験することができます!一度に4名まで参加できます。(なお、サイアノタイプは日光に当ててするアクティビティのため、曇りや雨、強風など天候により実施できない場合があります。)

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