直島は、広島と大阪の中間に位置する瀬戸内海東部にある小さな島。1990年代初頭から直島南部の大規模な開発が行われ、現在はプリツカー賞を受賞した建築家・安藤忠雄氏による美術館が複数ある。島内のアートコレクションには、クロード・モネ、ジェームズ・タレル、草間彌生、杉本博司といった著名人の代表作が含まれる中、銭湯や神社をモチーフにした作品もあり、アートと生活の境界を曖昧にしている。また、伝統芸能である人形浄瑠璃「直島女文楽」は香川県無形民俗文化財に指定されており、女性だけの一座は直島にしか存在しない。

直島は小さな島だが、カフェやレストランは驚くほど多彩で、寿司やお好み焼きといった日本の伝統的な料理をはじめ、フィッシュバーガー、ピザやジェラートなどもある。宿泊は、美術館の敷地内にある豪華なホテル、民宿、ゲストハウスや島の南岸にあるモンゴルのパオなどから選ぶことができます。

島の北側は産業地帯で広大な工場があるが、南端は緑豊かで、素敵なビーチや隠れた自然遊歩道もある。豊島と犬島への直行便が出ているので直島を拠点に他の島を回るのもおすすめ。

地中美術館（ちちゅうびじゅつかん）

この美術館は地中美術館と言う名の通り、山を切り開いたコンクリートの洞窟のような空間に、クロード・モネ、ジェームズ・タレル、ウォルター・デ・マリアの作品が展示されている。美術館のほとんどは自然光で照らされているため、季節や日照時間によって空間の表情が変わるのも見どころ。例えば、モネの部屋では、モネの睡蓮の絵が、曇り空と春の陽気という異なる天候を表現しており、上空から差し込む間接照明の光によって、さらに美しさを増している。【公式サイト】

家プロジェクト

歯科医院の跡地、塩商人の豪邸、神社の跡地......一度は廃墟と化した場所が、アート作品として生まれ変わる。本村にある7軒の伝統的な家屋や神社など、著名なアーティストや建築家の手で改修し、「家プロジェクト」となった。護王神社のガラスの階段は地下の秘密の洞窟へ、石橋の倉庫だった場所に描かれた滝の壁画は漆塗りの床に魔法のように映り込み、南寺のジェームズ・タレルの作品は目が慣れてくると暗闇から目の前に浮かび上がってくる。 [公式サイト]

ベネッセハウスミュージアム

1992年に開館したベネッセハウスミュージアムでは、国内外の著名なアーティストの作品を中心に、小規模ながら目を見張るようなコレクションが展示されている。2階建ての円形アトリウムを中心に、ブルース・ナウマンのネオンによる一大インスタレーション「100 生きて死ね」（1984年）をはじめ、柳幸典、リチャード・ロング、杉本博司のサイトスペシフィックな大作が常設され、その他、デヴィッド・ホックニー、アンディ・ウォーホル、ゲルハルト・リヒターなどの絵画作品も順次展示されている。[公式サイト]

バレーギャラリー

2022年にオープンした直島で最も新しいギャラリー。安藤忠雄の設計による建築で、その名の通り谷間に位置し、風通しが良いのが特徴。1960年代に構想された草間彌生の「ナルシスの庭」は、何百もの磨かれた金属の球体がギャラリーを埋め尽くすだけでなく、周囲の敷地や池の中にも展示されている作品。また、小沢剛の「スラグブッダ 88」は、豊島の産業廃棄物から鋳造された仏像のインスタレーション作品。ヴァレーギャラリーはベネッセハウスミュージアムの入館料に含まれるが現地でもチケットの購入が可能。[公式サイト]

瀬戸内「　」資料館／宮浦ギャラリー六区

かつて島で唯一のパチンコ店だったこの建物は、建築家の西沢大良氏によって展示施設に改装され、2019年からはアーティスト・下道基行氏による継続的なプロジェクトの場となった。瀬戸内「　」資料館と名付けられた彼のプロジェクトは、直島における参加型アートのユニークな例であり、生きた実験室である。ここでは、直島の歴史や観光、産業、写真家などをテーマにした展示が行われている。[公式サイト]

直島風呂「I♥湯」

この地域で最も奇妙で最も大切にされているアート作品のひとつ。アーティスト・大竹伸朗による「I♥湯」は、直島の玄関口である宮浦港近くにあり、実際に入浴ができる。建物の外観や内装は、浴槽、風呂絵、モザイク画、トイレの陶器にいたるまで、大竹伸朗の世界が広がっている。[公式サイト]

アート島センター

アート島センターは、宮ノ浦にあるギャラリー、本屋、アートセンターです。

アート教室・活動は、直島のアート施設と相性がぴったり。店内のアトリエや島内で定期的に開催している。その他、プライベートレッスンやツアーも受付しているのでお好みのレッスン内容など、お気軽にご相談ください。[詳しくはこちら]

また、国内外のアーティスト、写真家、イラストレーターの展示も開催している。ショップでは、アート関連書籍のほか、輸入文房具や雑貨、瀬戸内のお土産なども取り扱っている。

その他のアートスポット

直島には、李禹煥美術館、ANDO MUSEUM、杉本博司ギャラリー 時の回廊のほか、草間彌生の赤かぼちゃと黄色いかぼちゃ、建築家・藤本壮介による直島パヴィリオンなど屋外アート作品がある。

有名どころ以外にも直島には見どころがたくさんある。特に注目すべきは、宮ノ浦の飲食店ニューおりんぴあ向かいにある小さなギャラリー「Tofu Gallery」。直島在住・アメリカ出身の優れた画家タイラー・ステンランドの作品を見ることができる。

犬島

岡山県に浮かぶ小さな島。犬島精錬所美術館は、アーティスト・柳幸典と建築家・三分一博志のコラボレーションによって生まれた壮大な美術館。建物は犬島に残る銅製錬所の遺構を保存・再生している。島内には、オラファー・エリアソンや名和晃平など、さまざまなアーティストのインスタレーションを展示する犬島「家プロジェクト」などがある。詳細はこちら